6月20日(貧困3)

〜Learning from the speech of Hans Rosling in English〜 

 

 PEPUPでは、月に一度英語による学習会を開いています。というのも、PEPUPでは年に2回長期休みを利用し、フィリピンにあるフェアトレードパートナーの元へスタディーツアーに行きます。その際に、英語を使ってコミュニケーションをとることが必須ですので、普段から日常会話に留まらず、フェアトレードにまつわることなどを英語で学習する機会を設けています。そして、今回はその英語による学習会でした。今月のテーマは貧困で、今回はハンスロスリングさんの「貧困に対する新たな洞察」というタイトルのスピーチを元に話し合いを進めて行きました。

 

 

Developmentとは何か?

 

 

 私たちはあらゆるものがどこかで影響しあい、関係し合っている複雑な世界に生きています。そのなかで、私たちは少しでもその複雑な世界を分かりやすくするため、理解しやすくするために、共通点や相違点をもとに分類をしています。誰もが聞いたことがあるであろう、先進国と発展途上国という言葉も主にその国の経済の発展度合いに応じて人間が勝手に分類し、名付けた言葉であるのです。

 

ハンスロスリングさんのスピーチの中で、長年にわたって収集された様々なデータの相関関係を国ごとに比較するグラフがありました。そこではGDPや子供の死亡率、寿命といったデータが用いられており、例えばGDPと子供の死亡率の関係性を見るグラフがありました。そのグラフから読みとれることとして、昔と比べて今の方がどこの国もGDPが上がり、子供の死亡率は低下しているということが一つ挙げられると思います。全体の傾向を捉えると、そのように言えますが、もっと細かく見てみると、国ごとに傾向が違うことも分かります。同じGDPであっても、子供の致死率が高い国もあれば、低い国もあります。逆に、子供の致死率が同じ場合でも、GDPが高い国もあれば低い国もあります。

 

このように、その国の状態は全然違うのにもかかわらず、何を持って私たちはDeveloped country(先進国) とDeveloping country(発展途上国という二つに分類しているのでしょうか?普段何気なく、先進国、発展途上国といった言葉を使ってしまっていますが、そもそも何を持ってDevelopとなるのか、Developmentのレベルはどう測るのか、Developmentを構成する要素とは何か、そのような疑問が浮かんで来ました。

 

結論から言うと、この疑問に対する答えは出ていませんし、答えはこれ!といった形で答えを出すつもりもありません。というのも、私たちが住む世界は昔と比べて、例えばまだ狩猟をして暮らしていた時代と比べて、とても高度な世界になっており、今後も私たちが住む世界はどんどん進化して行き、高度なものになってくると考えられます。そのように、そもそもの土台が異なれば、Developを構成する要素もその時々によって変わってくると考えられるし、Developのレベルの測定基準も変わってくると考えられるからです。ただ、Developmentを考えるうえで、大切なこととしてはどの視点から見るか、そして考えるかということではないかと思います。上記のGDPや子供の死亡率といったものは、Developmentを国レベルのマクロな視点から考えていますが、もっとミクロな視点から入り、個人のレベルでのDevelopment とは何かであったり、メソな視点から組織としてのDevelopmentとは何かであったりと、常に自分の中で視点を変えながら、柔軟に考え続けること、それが大切なことではないかと思いました。

(東田理沙)